明るくてちょっとおかしな、まったく新しいカフカ像が見えてくる! カフカ自身の言葉、日記や手紙、また作品という「精神の証言」をよりどころに、これまでの壮大なカフカ神話からこぼれ落ちた小さな事柄を拾い上げる評伝。(アマゾンの商品説明より)
商品説明に、「明るくて」と書いてあるけれど、ぜんぜん明るくないよ。笑
ちょっとおかしくもなかったよ。
とてもまじめで、不器用ながらもその時代を一生懸命に
生きたフランツ・カフカの生涯が記されていました。
カフカの日記や作品、手紙など膨大な記録から、
著者がカフカの生涯についてまとめたこの一冊。
時代背景から詳しく描かれているので、
カフカの行動や生活が読み手の腑に落ちるように、
わかりやすく記されている一冊でした。
カフカといえば、「変身」と「城」
わたしはまだこの2冊しか読んだことがありません。
初めて読んだのが高校生のときなので、もう10年以上前。
それなのに、読んだときに頭の中で想像した景色がいまでも鮮明に残っています。
グレゴール・ザムザとK。
主人公の名前って、よっぽど印象深い作品か、
ちゃんと読書記録を残しているものでないと覚えていないけれど、
10年ちょっと、ずっと覚えてたもんなあ。
それくらい印象深い作品でした。
(だから、この本を図書館でたまたま目にしたときに読んでみようと思ったのです。)
特に「変身」なんかは、ファンタジーなんかじゃなくて
とてもリアルな人間模様。だから、結末にはショックを受けたけれど・・・
この作品が書かれたときのカフカの生活も知ることができて、
なんとなく納得したのでした。
2024年はカフカがなくなってちょうど100年の年。
第二次世界大戦前のユダヤ系の人々がいかに私たちと変わらない日常を生きていたか。
カフカの妹たちの未来が、あんなことになるなんて、だれが想像したか。
そんなこともこの本を読みながら思いました。
カフカ本人とご両親がねむっているお墓にいつか花を手向けにいきたいな。
カフカは、いやがるかな。静かに過ごしていたいかな。